人手不足が続くなら、人材会社の需要も残る。
これがパーソルHDを買ったときの考えでした。
でも、生成AIで仕事そのものが減れば、従来の派遣需要は弱くなるかもしれません。
人手不足だから安泰、とは言い切れない会社です。
私が見ているのは、不要になる仕事から人手が足りない現場へ人を動かし、AIを自社の生産性向上にも使えるかです。
人手不足は追い風
パーソルグループの個人投資家向け説明では、一定の経済成長が続く前提で、2035年に1日1,775万時間、384万人相当の労働力が不足すると推計しています。
これは会社グループの研究機関による推計であり、確定した未来ではありません。
それでも、介護、物流、建設、外食などで人手不足を感じる場面はすでに珍しくありません。
パーソルHDの事業も、事務派遣だけではありません。
- 人材派遣を担うStaffing
- 業務をまとめて請け負うBPO
- ITや設計開発を支えるTechnology
- dodaなどの転職支援を担うCareer
- アジア太平洋地域で展開するAPAC
企業が人を採用するだけでなく、業務そのものを外部へ任せたいと考えれば、BPOの需要が生まれます。
私は、単なる「人貸し」から、採用、配置、育成、業務代行まで扱う会社へ変われる余地を評価しています。
200円台でも割安とは限らない

パーソルHDは1株数百円で、100株でも数万円から買えます。
私も27,500円で100株を購入できました。
NISA枠が少し余ったときや、最初から大きな金額を入れたくないときには便利です。
損益額も小さくなりやすいため、買い増しや見直しを段階的に行えます。
ここで重要なのは、1株の価格が低いことと、会社が割安であることはイコールではないという認識です。
株主還元ページにあるとおり、パーソルHDは2023年10月に1株を10株へ分割しました。
分割前に2,500円だった株が分割後に250円になっても、会社全体の価値が10分の1になったわけじゃないですよね?
また、買いやすさは利点ですが、保有理由にはなりませんししてもイケません。
クルエイチ私は低い株価ではなく、利益と配当を生む事業の変化を見ています。
コロナ期に30円から26円へ減配


景気が悪くなったときの人材会社を見る材料が、コロナ禍です。
2021年3月期の株主通信では、売上高が前期比2.0%減、営業利益が32.4%減となりました。
人材紹介や海外事業が打撃を受ける一方、国内の人材派遣ではBPO案件が支えになりました。
年間配当は30円から26円へ減配しています。
これは2023年の株式分割前の金額で、現在の株数に合わせれば3.0円から2.6円に相当します。
減配の理由は、配当の基準にしていた調整後EPSが減ったことです。
業績が悪化しても無理に配当を維持しなかったという点は、評価が分かれるところかと。
その後は業績と配当を回復させましたが、一度減配した事実はやはり残ってしまいます。
人材需要はなくならなくても、景気後退で採用や転職が止まれば利益は減るという点は注意が必要ですね。
AIは敵にも道具にもなる


私が最も注意しているのは、生成AIで仕事の中身が変わることです。
事務派遣などは置き換わる?
文章作成、集計、問い合わせ対応などの定型業務は、AIと自動化の影響を受けやすい仕事です。
企業が少ない人数で同じ業務を処理できるようになれば、事務派遣の需要は減ります。
人手不足という大きな追い風があっても、すべての職種が不足するわけではありません。
人材会社が現在の求人を紹介するだけなら、技術変化に取り残されます。



特に事務作業なんかは、デフォルトがAIで最終確認は人、という使い方もあるみたいですよ。
人材会社もAIを使う
一方、AIはパーソルHD自身が使える道具でもあります。
IR DAY 2026では、求人票の作成にすでにAIを導入し、AIカウンセリングや独自データによるマッチングを進める方針が説明されました。
求職者と企業を結びつける作業を効率化できれば、同じ人数でも多くの転職や採用を支援できます。
AIに仕事を奪われる側になるか、AIで人材サービスを強くする側になるかが分かれ目です。
現場職へ広げられるか
会社は、製造、物流、建設、メンテナンス、外食、介護など、AIで置き換えにくい現場職にも注力しています。
事務職の需要が減っても、現場の人手不足へ事業を広げられれば、グループ全体の需要は残ります。
職種転換を支える教育や配置まで提供できるかを見ていきます。
配当は利益に連動する


パーソルHDは、調整後EPSの約50%以上を配当する方針です。
2027年3月期は年間13円を予想しており、私の100株では年間1,300円になります。
2026年6月には、100株で600円の配当を受け取りました。
金額は小さくても、少額投資で実際に配当が入る経験は、保有を続ける動機になります。
ただし、この方針は毎年の増配を約束する累進配当ではありません。
利益が減れば、配当性向を守りながら減配することもできます。
コロナ期の減配は、その前例です。
配当利回りだけでなく、Staffing、Career、BPO、Technologyが合計で利益と現金を残しているかを確認しなければなりません。
減配か転換遅れで見直す
2026年3月期の有価証券報告書にもあるとおり、人材派遣は労働者派遣法に基づく許可事業です。
AIだけでなく、法改正や不適切な事業運営も保有理由を崩します。
- 事務派遣の需要減をBPOや別職種で補えているか
- AI投資が成約率や生産性の改善につながっているか
- 人手不足の現場職へサービスを広げられているか
- 労働法制の変更や重大な違反で事業基盤が傷んでいないか
- 減配が発表されていないか
減配があれば、まず理由を確認します。
一時的な景気悪化でも、私が購入時に決めた見直し条件には該当します。
特に、事務派遣が縮小しているのにBPOやTechnologyへの転換が間に合わず減配したなら、売却を強く検討します。
パーソルHDは、人手不足へ投資する銘柄です。
ただし、同じ仕事の求人が永遠に増えることへ賭ける銘柄ではありません。
人が余る仕事と足りない仕事をつなぎ直し、企業の業務まで支えられるか。
その転換が進む限り、私は100株を保有し続けます。
この記事は、私自身の投資記録と判断過程をまとめたもので、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。株式は価格下落による元本割れの可能性があり、配当も将来にわたって保証されるものではありません。
掲載した過去の実績は、将来の運用成果を保証するものではありません。
