36期連続増配。花王を買った理由として、この記録が大きかったのは事実です。
私は200株を保有しています。
ただ、利益が落ちても増配を続ければ、利益に対する配当の割合は上がります。設備や事業へ回すお金まで減らして、記録を守ってほしいわけではありません。
2026年8月上旬時点では保有継続です。
商品を売って得た利益と現金で、配当と必要な投資を続けられるかが気になっています。
長く増配してきた姿勢を評価

花王は2025年12月期に1株154円を配当し、36期連続増配となりました。
安定的に生み出すキャッシュフローを戦略投資や設備投資へ使いながら、安定的・継続的に増配する方針を掲げています。
私は2025年12月期の期末配当として、2026年3月27日に1株77円で合計7,700円を受け取りました。
長く増配してきたことから、配当を重視する会社の姿勢は分かります。持ち続けるには、その配当を支える利益と現金も必要です。
利益が落ちた理由と現金の収支
一時費用で利益が減った2023年

2023年12月期の配当性向は158.9%でした。配当性向は、利益のうち何%を配当に回したかを示す指標です。
この年は、会計上の利益より配当総額が大きかったことになります。
クルエイチその年の会計上の利益だけでは配当を賄えていない…
赤字を貯金切り崩して補填してる、みたいなイメージですね🤔
この年の花王は、最終赤字ではありません。配当性向が100%を超えたことと、赤字は別物です。
現金の出入りとも一致しないため、貯金をいくら取り崩したかまでは、この指標だけでは分かりません。
利益が減った背景には、減損や人員構成の見直しなどの構造改革費用がありました。
減損は、資産から見込んでいた収益を得にくくなったときに、帳簿上の価値を引き下げる処理です。
会社が示す一時費用を除いた利益では、当時の配当を賄えていました。配当性向の高さに加え、何が利益を減らしたのかを確認する必要がある年でした。
配当と必要な投資を現金で支えられるか


会計上の利益には、現金が同時に出入りしない損益も含まれます。実際に配当を支払うには現金が必要です。
営業キャッシュフローは、事業活動で出入りした現金の収支を示します。
2025年も2026年中間期も、営業キャッシュフローは支払配当を上回りました。ただ、入った現金をすべて配当に回せるわけではありません。事業を続け、育てるための投資もあります。
- 売上と利益が増え、土地売却益を除いても営業利益は前年中間期を上回った。
- 営業キャッシュフローは、中間期に支払った配当を上回った。
- ケミカル事業の値上げが効き始めたが、数量は減っている。
- 海外の売上は地域によって増減が異なり、どこでも同じように伸びているわけではない。
2026年8月5日に確認した年間配当予想は、株式分割後で1株78円です。私の200株なら年間15,600円となります。
会社予想による税引前の試算で、実際の配当額は変わる可能性があります。



私の取得額665,000円に対する2026年予想配当利回りは約2.35%。
高配当だけを目的にするなら、正直足を引っ張る形ではあります。
増益の中身と値上げの効果
土地売却益を除いても利益は増えた
2026年中間期の営業利益には、物流拠点の見直しに伴う土地売却益が含まれています。売却益は、毎年同じように得られる利益ではありません。
会社資料では、その売却益を除いても、営業利益は前年中間期を上回りました。土地を売ったことだけで増益を説明する状態ではなかった点は、保有を続ける材料です。



増益率は概算指標。
一時利益を除いてどの事業が伸びたかを見る必要があります。
原材料高を価格へ反映するまでに時間がかかる


ケミカル事業は、第2四半期に価格改定の効果が出ました。
化学物質や素材を開発・製造し、自動車、電子、医薬品、日用品などの産業へ提供する事業です。
中間期は販売数量などが減る一方、価格の上昇が売上を支え、営業利益も前年同期を上回りました。第1四半期に見えた値上げの遅れを挽回した形です。
原材料の調達価格は、在庫、生産、販売を経て2〜3か月遅れて損益へ影響します。商品やブランドが多くても、原材料高をすぐ販売価格へ反映できるとは限りません。
海外でも売上を伸ばしていますが、地域によって動きは違います。2026年中間期は中国を含むアジアと米州が伸び、欧州は為替を除く売上が減りました。
海外で売れていることに加え、その売上から利益も増やせているかが気になります。
増配が投資の負担になるなら見直す
3月に含み損が約9%まで広がったことは、花王を調べ直すきっかけになりました。ただ、株価下落だけでは売却を検討しません。
商品から得る利益と現金で、配当を続けられるかが判断材料です。



利益と現金の余力が弱くなったのに、増配記録を守るなら売却検討。
長期投資の視点では、配当金は据え置きで良いです。
配当負担が重くなる場面は長期投資視点では危険。
- 本業の利益が落ち、配当性向が高い状態が続く。
- 営業キャッシュフローが減り、配当と必要な投資を支えにくくなる。
- 原材料高を価格へ反映できず、利益率の低下が続く。
- 為替や海外市場の悪化が、一時的な売上減にとどまらず、継続して利益を減らす。
一度の四半期で機械的に売るわけではありません。利益が落ちた理由と、回復へ向けた対策を確認します。
2023年の一時費用や2026年の土地売却益を見ると、増益率や配当性向だけでは説明し切れません。
多くの商品を国内外で売り、利益と現金を得られるという期待は残っています。今は保有を続けますが、そのお金を使ってまで増配記録を守る必要はない、という考えです。
確認した一次資料
以下は、2026年8月5日に確認した花王の公式資料です。
- 株主還元方針
- 2025年12月期決算短信
- 2026年12月期第1四半期決算短信
- 2026年12月期第1四半期決算説明資料
- 2026年12月期第2四半期決算短信
- 2026年12月期第2四半期決算説明資料
- 2023年12月期決算短信
- 株式分割及び定款の一部変更に関するお知らせ
- 近年の花王のあゆみ
- 投資家情報・IRカレンダー
この記事は、私自身の投資記録と判断過程をまとめたもので、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。株式は価格下落による元本割れの可能性があり、配当も将来にわたって保証されるものではありません。
掲載した過去の実績や試算は、将来の運用成果を保証するものではありません。
