アイモバイルはネット広告の会社として始まりましたが、今の利益を考えるなら、ふるさと納税サイト「ふるなび」を外せません。
国内中心で財務も健全。増配も続いている。
そこを評価して保有していますが、ふるさと納税は国の制度です。
ポイント禁止や手数料引き下げで、会社の稼ぎ方は簡単に変わります。
2026年7月時点では保有継続。
制度が変わった後も、ふるなびが利用者と自治体に選ばれ、ふるなび以外の利益も育つかを見ています。
広告会社からふるなび会社へ

社名からはスマートフォン関連の会社を想像しますが、現在のアイモバイルを理解するには「ふるなび」を外せません。
会社の沿革を見ると、2007年にモバイル広告の会社として始まり、2014年にふるさと納税サイト「ふるなび」を開設しました。
現在は、ふるなびを中心とするコンシューマ事業と、広告配信やアプリ運営などのインターネット広告事業が二本柱です。
会社自身も、ふるさと納税事業を基盤収益と位置づけています。
ふるなびは、寄附者を自治体へ送り、寄附額に応じた手数料を受け取るプラットフォームです。
工場や大量の在庫が必要ない、というのが大きな特徴です。
利用者と自治体が増えれば、既存のシステムと集客力を使って収益を伸ばせます。
一方、業績ハイライトでは、2021年7月期から2025年7月期まで売上高が増えているものの、利益と利益率は一直線に伸びていません。
売上の成長だけでなく、集客費用や新規事業への投資を引いた後に利益と現金が残るかを見る必要があります。
制度変更はすでに起きている
ふるさと納税の制度変更は実際に起きています。
今後も無いとは言い切れない、というのが分かるかと。
ポイント付与が終了


2025年10月から、ふるさと納税ポータルサイトが寄附額に応じて独自ポイントを付ける仕組みが禁止されました。
ふるなびの案内でも、2025年9月のキャンペーンを最後に、寄附に伴うふるなびコインの付与を終了しています。
ポイント還元は、利用者がサイトを選ぶ分かりやすい理由でした。
これがなくなれば、返礼品の探しやすさ、手続きのしやすさ、独自サービスで差をつける必要があります。



これは改悪だと批判もあったのですが、結局制度変更されてしまいました…
次は手数料
2026年5月には、総務省からポータル事業者へ、ふるさと納税制度を持続させるための要請がありました。
アイモバイルの見解では、会社は前年度から自主的に手数料を引き下げていると説明しています。
手数料が下がれば、同じ寄附額でも会社に残る収益は減ります。
市場全体が伸びていても、ポータル会社の利益が同じように伸びるとは限りません。
ポイント後の競争軸
2026年7月期第3四半期決算説明資料では、ふるなびアプリ、独自決済、旅行、電力、自治体の業務代行などへ顧客接点を広げています。
ポイント終了後も会員数は前年同期末比15%増でした。
これは制度変更へ対応できている途中経過です。
ただし、一度の決算で長期的な強さが証明されたわけではありません。
ポイント目当てではない利用者が残り、自治体が手数料を払ってでも使いたいサービスを提供できるか。
ここが、ふるなび依存を許容できるかの分かれ目です。
記念配当を良しとするか


アイモバイルの配当履歴は、合計額だけを見ると誤解しやすい年があります。
2021年7月期は、株式分割後の金額に直して年間33.3円でした。
ただし、内訳は普通配当10円と記念配当23.3円です。
翌2022年7月期は12.7円なので、合計額では大幅減配に見えます。
しかし記念配当を除いた普通配当は、10円から12.7円へ増えています。
その後の普通配当は13.3円、22円、26円と増え、2026年7月期は27円を予想しています。
私の100株では年間2,700円です。



大幅減配があったように見えますが、実体としては連続増配株と捉えて良さそうです。
会社は2024年7月期から2027年7月期まで、配当性向50%を目安にしています。
還元姿勢は強い一方、累進配当とは明言がありませんでした。
利益が減れば、配当も減る可能性があります。
私は一度くらいなら配当維持でも売りません。
ただ、普通配当が数回続けて据え置かれるか、減配された場合は、利益成長が止まっている可能性を踏まえて撤退検討ですね。
7月配当の年1回


株式基本情報では、配当の基準日を1月31日と7月31日に設定しています。
ただし、2026年7月期の予想は中間0円、期末27円で、現在は7月期末の年1回配当です。
株主優待はありません。
ふるなびを運営する会社ですが、株主向けの返礼品やポイントがあるわけではなく、還元は配当と自己株式取得が中心です。
権利月を紹介するサイトで、1月と7月とする記載を見かけたことがあります。(私も一度見てしまいました…😱)
会社の決算短信を確認すると、現在の配当は7月期末の年1回です。権利月だけでなく、中間配当の有無まで一次資料で見る必要がありますね。
国内中心でも無傷ではない
アイモバイルの事業は国内中心で、輸出企業に比べれば為替や海外の地政学リスクの直接影響は小さいと考えています。
その代わり、国内制度と情報システムへリスクが集中します。
制度が収益を変える


ポイント付与終了や手数料引下げは、法律や行政の方針が収益構造を変える具体例です。
ふるさと納税自体が続いても、返礼品、経費、手数料のルールが変われば利益も変わります。
制度変更が発表されたという理由だけで売るのではなく、変更後に寄附受付額、会員、自治体との契約、利益率がどう動いたかまで見てから判断でも良いかな、とは思っています。
外部サービスも攻撃される
2025年4月には、アイモバイルが利用していた外部のメールセキュリティサービスが不正アクセスを受けました。
会社の発表では、顧客や取引先の情報漏えいは確認されず、漏えいの恐れもないとしています。
この件だけで重大な情報流出が起きたとは思っていません。
ただし、自社のサーバーを守るだけでは足りず、委託先のシステムも攻撃経路になることが分かります。
情報セキュリティ体制では、月1回の委員会、全社員研修、委託先管理、ISO/IEC 27001認証を説明しています。
対策があることは評価しますが、事故をゼロにはできないのが現実的なところでしょう。
ふるなびは寄附者と自治体の情報を扱います。
大規模な個人情報流出、長期のサービス停止、事故後の説明不足があれば、信用を土台とする事業が崩れたとしてすぐに売却を検討します。
制度依存が薄まるかで見直す
- ポイント終了後も利用者と寄附受付が定着しているか
- 手数料低下を業務効率と周辺サービスで補えているか
- ふるなび以外の事業が利益を生む柱へ育っているか
- 普通配当の据え置きが続くか減配していないか
- 重大な情報流出や長期停止への対応に問題がないか
私がアイモバイルを持つ理由。
それは、ふるさと納税制度のルール変更後も、広告で培った集客力とシステム開発力を使い、利用者と自治体の間に価値を残せると考えているからです。
制度変更のたびに利益が大きく揺れ、ふるなび以外の収益源も育たないなら、保有理由は弱まります。
反対に、旅行、自治体の業務代行、電力などへ収益が広がれば、ふるなび依存は少しずつ薄まります。
2026年7月時点では増配予想と健全な財務が続いているため、100株を保有します。
ただし、配当だけで安心せず、制度が変わった後の稼ぐ力を確認し続けます。
この記事は、私自身の投資記録と判断過程をまとめたもので、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。株式は価格下落による元本割れの可能性があり、配当も将来にわたって保証されるものではありません。
掲載した過去の実績は、将来の運用成果を保証するものではありません。
