みなさん、車のタイヤってどこのメーカーを使っていますか?
車好きなら「ポテンザ!」とかこだわるかもしれませんが、詳しくない人でも知ってるタイヤは「ブリヂストン」っていうイメージ、ありますよね。
ちょっと高いけど、性能はピカイチ。
実はこれ、株式投資でも同じことが言えるんです。
ブリヂストンは株価もそこそこ高く、値がさ株とは言わないまでも個人投資家にはチョット手が出辛い銘柄。
ですが、そのぶん「世界トップシェアの稼ぐ力」と「株主還元の安心感」は別格です。
買った理由は、安さだけで競争せず、18インチ以上の高インチタイヤなど、価格が高くても選ばれる製品を増やしていたからです。
原材料価格が上がっても、値上げと高付加価値品への販売構成の改善で利益を守れるかを重視しました。
タイヤは景気や自動車販売の影響を受けます。
プレミアム品があっても、需要減やコスト増を無条件に打ち返せるわけではありません。
増益率ではなく、価格と販売構成のプラスが、数量減、原材料高、関税のマイナスを上回っているかが大事です。
高くても選ばれるタイヤを増やす

ブリヂストンが力を入れているのが、高インチタイヤを含むプレミアム商品です。
高インチタイヤは、ホイールの直径が18インチ以上など、大型化したタイヤを指します。
クルエイチ当たり前ではあるのですが、タイヤって乗用車だけじゃないんですよね。
”働く車”と呼ばれる特殊車両にだってタイヤはあるんです。
ブリヂストンは農業機械のタイヤなんかも扱ってます!
サイズが大きいだけで必ず高収益になるわけではありません。
それでも、車種ごとに求められる走行性能、静かさ、燃費、安全性に応える商品は、最安値だけでは選ばれにくい領域です。
私は、安全に関わるタイヤなら、価格が高くても性能やブランドで選ぶ人がいると考えました。
会社が「プレミアム化」と呼ぶ戦略が、価格と販売構成が利益にどう効いているかが重要です。
販売構成の改善とは、同じ本数を売っても、より付加価値の高い商品の割合が増えることです。
会社資料では「MIX」と表記されます。
原材料高で値上げ力が見えた
購入理由を考えるうえで重視したのが、コストが大きく上がった2022年の実績です。
この年の売上収益は4兆1,101億円で前年比27%増、調整後営業利益は4,826億円で22%増でした。
円安の追い風もありましたが、価格改定と販売構成の改善が、原材料高などの負担を大きく吸収しています。
価格改定


調整後営業利益の増減要因を見ると、価格改定は3,250億円、販売構成の改善は330億円のプラスでした。
一方、原材料は2,350億円、加工費は690億円、販売費は670億円のマイナスです。
価格改定と販売構成のプラス3,580億円で、原材料とインフレ関連費用の合計3,710億円の大半を埋めました。
値上げだけですべて解決は出来ていません。為替も900億円の増益要因でした。
それでも、原材料高をそのまま利益減として受けるのではなく、販売価格へ反映できたことは確認できます。
高インチタイヤ
2022年は、市販用乗用車の18インチ以上の高インチタイヤ販売が前年比10%増えました。
原材料が上がる局面で、価格を上げながら高付加価値品の割合も増やせた。
この実績が、私がブリヂストンを買った理由の中心です。
2022年は円安も利益を押し上げました。
値上げ力だけで22%増益になったわけではないというところは注意点です。
値上げ力の鍵は数量にあり


価格を上げれば、1本当たりの利益は増やしやすくなります。
一方、値上げ後に販売本数が大きく落ちれば、全体の利益は守れません。
- 第2四半期累計の売上収益は2兆3,217億円で9.7%増、調整後営業利益は2,809億円で19.7%増。
- 売値は+80億円、販売構成は+110億円、販売数量は+60億円の増益要因。
- 原材料は+230億円、為替は+200億円の追い風。米国関税のコスト影響は-180億円。
- 通期予想は売上収益4兆5,000億円、調整後営業利益5,150億円、年間配当125円で変更なし。
価格と販売構成は合計190億円、販売数量も60億円の増益要因でした。
第1四半期には数量がマイナスでしたが、上期累計ではプラスへ転じています。
価格を上げても全体の数量を保てるかという購入時の確認点には、前進がありました。
同時に、原材料価格の低下と為替も合わせて430億円の追い風でした。
北米の市販用タイヤ需要は前年を下回っており、「値上げ力だけで増益した」「数量の問題は解消した」とまでは言えません。



米国関税は重荷です・・・
会社は上期が計画を上回った一方、下期には中東情勢に伴う原材料などのコスト増を600億円強と見込み、通期予想を据え置きました。
原油や天然ゴムが上がれば、上期の原材料の追い風は逆向きになります。
関税を価格へ転嫁できても、販売本数が落ちれば利益は残りません。
円高になれば、海外利益の円換算額も減ります。
配当は値上げの結果


ブリヂストンは、連結配当性向50%を目安に、安定的かつ継続的に配当額を向上させる方針です。
2025年の年間配当は分割前で230円、配当性向は46.7%でした。
2026年の予想配当は、株式分割後の1株当たり125円です。
私の200株では年間25,000円、取得額610,000円に対する予想配当利回りは約4.10%になります。
会社予想の1株当たり利益270.87円に対し、配当125円の予想配当性向は約46.1%です。
目安の50%を少し下回ります。
2025年の営業キャッシュフローは6,604億42百万円、配当金の支払額は1,485億73百万円でした。
営業キャッシュフローは設備投資にも使うため、差額をすべて配当に回せるわけではありません。
それでも、配当支払額を上回る現金を本業から生み出しています。
価格と販売構成で利益を守り、現金が残った結果として配当が出ます。
私が保有理由を見直すとき
一度の四半期で原材料や数量が悪化しただけでは、機械的に売りません。
価格改定の効果が出るまで時間差があるからです。
ただし、次の条件が重なるなら、購入時の前提が崩れていないかを調べ直します。
- 価格改定と販売構成のプラスで、原材料高や関税を吸収できない状態が続く。
- 値上げ後の販売数量が落ち続け、全体の利益も減る。
- 円高の影響を除いても、海外事業の利益率が下がる。
- 営業キャッシュフローが細り、配当性向が大きく上がる。
- 連結配当性向50%を目安とする株主還元方針が変わる。
とくに見るのは、価格・販売構成と数量の組み合わせです。
単価が上がっても数量がそれ以上に落ちれば、プレミアム化が利益成長につながっているとは言えません。
値上げ力を追う
ブリヂストンを買った理由は、単にタイヤの世界大手だからではありません。
安全性や性能が求められる商品で、安売りを避け、原材料高を販売価格と高付加価値品で吸収する力を評価しました。
2022年は、価格改定と販売構成の改善で、原材料とインフレ関連費用の大半を埋めました。
直近の決算では価格、販売構成、販売数量がそろって増益要因になりましたが、原材料安と為替の追い風も大きく、米国関税と下期のコスト上昇は残っています。



値上げ力がとにかく重要。
上げ過ぎてもダメ、上げなくてもダメ。
このバランスを適切にカジ取りできるかが今後の鍵を握っています!
確認した一次資料
以下の株式会社ブリヂストン公式資料を2026年8月7日に確認しました。
- 配当金・株主還元
- 2025年12月期決算短信
- 2025年決算説明会資料
- 2026年12月期第1四半期決算短信
- 2026年第1四半期決算説明会資料
- 2026年12月期第2四半期決算短信
- 2026年第2四半期決算説明会資料
- 2022年決算説明会資料
- IRカレンダー
この記事は、私自身の投資記録と判断過程をまとめたもので、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。株式は価格下落による元本割れの可能性があり、配当も将来にわたって保証されるものではありません。
掲載した過去の実績や試算は、将来の運用成果を保証するものではありません。
