21期連続で増えた分配金。
最初は、「オフィスと住宅の家賃が順調に伸びた結果」だと思っていました。
ところが中身を見ると、賃料だけでなく、物件売却益と内部留保も分配金を支えています。
増配は事実でも、毎期同じように使える原資ではありません。
2026年8月4日時点では保有継続。
賃料の伸びが金利上昇を上回り、1口当たり利益が分配金へ追いつくかを見ています。
減配が発表されたら、私は売却を検討します。
1口でオフィスと住宅へ分散する

平和不動産リートは、東京23区を中心とするオフィスとレジデンスに投資しています。
レジデンスは賃貸住宅のことです。
取得価格ベースで、それぞれ原則50%を目安にする方針を掲げています。
2026年5月末の保有資産も、取得価格はオフィスと住宅でほぼ半分ずつでした。
私が購入時に考えていた「1口で二つの用途へ分散できる」という見方は、大きく外れていません。
オフィスは景気や企業移転の影響を受けます。
住宅は一戸ごとの入退去がある代わりに、需要を多数の入居者へ分散できます。
異なる用途を組み合わせることが、この1口を保有する理由です。
ただし、両方とも東京中心の不動産です。
地域の賃貸需要、不動産価格、金利の影響から考えると、日本・東京への偏りは懸念点。
オフィスと住宅の半々は分散になりますが、最低限の分散と捉えるべきでしょう。
分配金を支える三つの原資
21期連続増配は明確な実績です。
ただし、分配金の中身を見ると、毎月の家賃だけで増配してきたわけではないことが分かります。
賃料

最も継続性を期待したいのは、保有物件から入る賃料です。
2026年5月期は、オフィスの賃料収入が増額改定によって年率4.2%伸びました。
住宅でも入替時や更新時の賃料引き上げが進み、既存物件の収益はオフィスと住宅の両方で増えています。
高い稼働率を保ちながら賃料を上げられれば、同じ物件から得られる利益が増えます。
一方、景気後退で空室が増えれば、今と同じペースで賃料を上げられるとは限りません。
物件売却益
保有物件を売却し、帳簿上の価格を上回った分も分配金の原資になります。
2026年5月期は25億円の物件売却益を計上し、売却益の計上は18期連続となりました。
物件を入れ替え、古い物件や収益性の低い物件を売って次の投資へ回すことは、リート運用の一部です。
売却益があること自体を悪いとは考えません。
ただし、売れる物件と含み益には限りがあります。
毎期同じ金額を確実に作れる利益ではないため、賃料収入と同じ重さでは見ません。
内部留保
平和不動産リートは、過去に積み立てた一時差異等調整積立金や繰越利益剰余金も分配金へ使っています。
1口当たり利益は、その期に1口が生み出した会計上の利益です。
予想分配金が1口当たり利益を上回る部分には、こうした内部留保が充てられます。
内部留保は、賃料が伸びるまで分配金をなだらかにする橋として使えます。
一方、1口当たり利益が追いつかず、取り崩しだけが続けば、同じ分配金を維持する余力は減ります。
賃料が伸びても金利は上がる

J-REITは、投資家から集めた資金だけでなく、銀行借入れや投資法人債でも物件を取得します。
家賃が増えても、支払利息がそれ以上に増えれば、1口当たり利益は伸びません。
クルエイチ銀行借り入れ = 金利 なんかも影響するというのは意外性かも
固定金利の借入れは、金利上昇の影響を遅らせます。
しかし、借換え時には新しい金利が適用されます。
賃料を上げる力と、借入費用が増える速さの競争です。
- 1口当たり分配金:2026年5月期3,990円、11月期4,030円予想。
- 11月期の1口当たり利益予想2,590円に対し、分配金予想は4,030円。
- 総資産LTVは48.5%。総資産のうち有利子負債が占める割合を示す。
- 平均調達金利は1.437%、長期有利子負債の固定比率は70.7%。
現在の予想では、1口当たり利益と分配金の差を内部留保で補います。
固定金利が約7割あるため、金利上昇がすべての借入れへ一度に効くわけではありません。
この数字は決算のたびに変わります。
それでも、1口当たり利益が分配金へ近づいているか、賃料成長が金利上昇を上回っているかという見方は変わりません。
私の基準は減配なら売る
購入時に決めたルールは「減配なら売る。逆にそれ以外では売る理由がない」です。
今回の調査でも、この基準は変えません。
投資口価格が下がっただけでは、オフィスと住宅から分配金を受け取るという目的は崩れません。
一方、減配が発表されれば、私がこの1口を持つ中心的な理由が崩れた合図として扱います。
- 稼働率や賃料収入が落ち、既存物件の収益力が弱くなったのか。
- 1口当たり利益が伸びず、内部留保でも補えなくなったのか。
- 金融費用の増加が、賃料成長を上回ったのか。
- 増資や物件取得が、1口当たり利益と分配金につながらなかったのか。
増配回数より土台を見る
オフィスと住宅へ分散し、5月と11月に分配金を受け取るという購入理由は残っています。
今の判断は保有継続です。
変わったのは、21期連続増配の受け止め方です。
賃料の増額は進んでいますが、物件売却益や内部留保も分配金を支えています。
増配回数だけを見て、今後も安心とは考えません。
見る順番は、賃料、1口当たり利益、物件売却益、内部留保、金利です。
最後に分配金がいくらになったかを確認します。
現在の分配金額が更新されても、この順番は変わりません。
4,000円台の分配金へ、賃貸利益が追いついているかを今後も見ます。
確認した一次資料
以下の平和不動産リート投資法人公式資料を2026年8月4日に確認しました。
この記事は、私自身の投資記録と判断過程をまとめたもので、特定の投資口の売買を勧めるものではありません。J-REITは投資口価格の下落による元本割れの可能性があり、分配金も将来にわたって保証されるものではありません。
掲載した過去の実績や試算は、将来の運用成果を保証するものではありません。
